看板やサイン制作で使用する大型のインクジェットプリンターのインク種類には、大きく分けて

「水性インク系」「ラテックスインク系」「溶剤インク系」「UV硬化型インク系」

4種類があります。

 

上記のインクで出力するには、ベースとなるフィルムや紙、

バナー素材といった専用のサプライ品が必要となり、

これらの出力するベース素材のサプライ品は「インクジェットメディア」

略して「メディア」と呼ばれています。

 

インクジェットプリンターのインクがメディアに定着するには、インク受容層が必要となり、

メディアにはこのインク種に応じた受容層が表面に施されています。

こちらの記事では、主にこのメディアの特徴やサイン・ディスプレイ市場における

役割をご紹介しています。

 

 

 

インクジェットメディアの特徴と種類

 

インクジェットのインクは大きくわけて4種類のカテゴリーに分かれます。

①水性インク系(染料・顔料)

②溶剤インク系

③UV硬化型インク系

④ラテックスインク系

主に水性系は屋内サインやポスター製作に使用されることが多く、メディアも紙素材が多数です。

溶剤・UV・ラテックスインクは、サインやディスプレイの用途全般に使用されており

屋外の看板製作にも適しています。

 

水性系インクジェットメディア

 

水性インクの受容層は下記のような構造です。

 

インクがメディアに着弾する際にインクを吸収する受容層が必要となり、

その需要層が表面に加工してある製品が水性インクジェットメディアの特徴です。

この需要層がプリンヘッドから着弾するインクを吸収して定着させます。

水性インクには染料と顔料の2種類ありますが、違いについては

下記の参考文献を添付しますのでご覧ください。

染料と顔料の違いについて

 

水性インクは全般的に耐水性には弱く、屋外のサイン制作にはあまり適しておりませんが、

主に屋内のポスターやPOPの製作に使用されています。

全般的に色の再現性に優れていて発色性がよく、

水性であるため環境にも優しいエコロジーなインクとも言えます。

 

【水性インクジェットメディアの用途】

〇屋内ポスター

〇店内POP

〇絵画

〇展示会社名板

など

【主な水性インク用インクジェットメディアの素材】

〇合成紙

〇印画紙

〇コート紙

バナー素材やフィルム素材も存在しますが、昨今は溶剤インクや

ラテックスインクの出現で用途が分かれており、

水性の役割は紙ベースのメディアで出力するサインやグラフィックが主体になっています。

 

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溶剤系インクジェットメディア

 

下記の図が主な溶剤系インクジェットメディアの構造です。

 

 

インクがメディアに着弾する際に有機溶剤成分が表面に着弾したあと、

ヒーターで温めてインクの有機溶剤を揮発させることでインクが定着します。

よってインクの溶剤有機溶剤を吸収できるような表面機能をもった素材が

溶剤のインクジェットメディアとして適していると言えます。

 

もともとの塩ビフィルムには溶剤を吸収する性質があります。

従って塩ビ系のフィルムや素材は全般的に溶剤インクに適していると言えますが、

PET系のフィルムやその他の素材にも有機溶剤を吸収する加工を施すことで

溶剤系のインクジェットメディアとして利用する事が可能になります。

 

溶剤インクは耐久性・耐候性に優れているので、

屋外の看板サイン製作にはもっとも適していると言えます。

また、近代プリンターは発色性が大きく向上していて、

且つインク自体のにおいも軽減されてきたので、

屋内のポスターや百貨店の電飾サインにも利用されることも多くなりました。

インクジェット技術進歩は留まることを知りませんね。

 

上記にも記述したようにインク臭はほぼしなくなりましたが、

基本的には有機溶剤成分ということもあってエコロジーとは言えないですね。

発色性に定評のあるEPSON社の大判溶剤インクジェットプリンター「SureColor」シリーズ。

色の再現性を追及した溶剤プリンターの最高峰ともいえる機種もあります。

大判溶剤インクジェットプリンター「SureColor」シリーズ

 

【溶剤系インクジェットメディアの主な用途】

〇屋外看板・サイン全般

〇電飾サイン・看板

〇インテリア壁紙製作

〇ターポリン系素材のバナー製作

〇防火防炎の壁面装飾

〇フロアーサイン

 

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UVインク系インクジェットメディア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UV系のインクは溶剤系や水性系インクのように基本的に相手素材(メディア)を選ばないのが特徴です。

主に、アクリルサイン製作・ゴルフボールのオリジナルサインや小物のサイン、スマホカバーの装飾など

専用のインクジェットメディアを使用せずダイレクトに印字できるのが大きな特徴です。

 

昨今では、大判でも手頃な価格のUVプリンターが登場したことにより、

看板やインテリア、ウィンドウサインの用途にも多用されるようになりました。

ファブリックの電飾サインの多くがUVプリンターで製作されています。

※UV系プリンターは、国内トップシェアのMimaki社がおすすめ

ミマキエンジニアリング

 

【UVインクジェットメディアの主な用途】

〇ファブリックサイン

〇ウィンドウサイン

〇アクリルや板ものへのダイレクトプリント

 

 

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ラテックスインク系インクジェットメディア

 

ラテックスインクは水性成分約70%、溶媒成分約30%で構成されている水性系のインクです。

水性インクでありながら、あらゆる素材にプリントが可能で屋外での耐候性及び耐水性にも優れています。

サインや看板用途だけなく、インテリアやファブリック生地などへのプリント性能にも適していて、

環境にもやさしいサステナブルなインクといえます。

但し、メディアを選ばないとしていますが、プリント時に60°C程度の高温に加熱させることで

インクを定着させるため、耐加熱に強い素材(メディア)が向いています。

 

【ラテックスインクメディアの主な使用例】

〇屋外看板・サイン

〇インテリア装飾(インクジェット壁紙)

〇ファブリック

【ラテックスインクの特徴】

〇優れた耐候性・耐水性を保持していて屋外サインにも最適

〇室内でのサイン(壁紙など)に最適

〇水性系インクなので環境にやさしい「サステナブル」なインクである

 

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サイン&ディスプレイ市場におけるプリンターとインクの用途

 

25年ほど前に、大判インクジェットプリンターが登場すると、

それまで印刷やカッティングシートで仕上げていたポスターやサイン、

グラフィックの製作にオンデマンドのインクジェットプリンターがとってかわるようになりました。

 

インクとメディアは年々進化を続け、高い耐候性・耐水性を実現して、

サイン・ディスプレイ市場における様々な用途で使い分けられています。

 

 

 

 

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